レコーディング、ライブで、いい音を出すために Vol.4

30年近くレコーディングエンジニアとしてやってきていますが、20代のころは、いい作品を作り上げるために、機材にこだわったり、テクニックにこだわっていましたが、30歳超える頃には、いい音で作品を作り上げるのには、機材や、エンジニアの技術よりもっと大事な物がある事に気づきました。
大きく分けて3つありますので、1つ1つ取り上げて行こうとおもいます。
まずは、ミュージシャンの出音。
これも、楽器、アンプ、機材、その設定の善し悪しではなく、奏法的なもの。
一流のミュージシャン達と同じ楽器、エフェクター、アンプ、セッティングにしても、きちんとした奏法が出来ていないと、同じ音にならないんです。それだけ、弾き方というものが出音に影響するんですが、なかなかそれに気づけない人が多いですね。
大きな原因は前の投稿で掲げた、関節の力をぬいた体の使い方ですが、その他にも、細かい要素が沢山あります。
まずは、それの大切さに気づくことです。
中でも、ギターで落ち入りがちなのが、アンプやエフェクターで歪ませすぎてしまうことです。
一流の人達は、驚くほどアンプやエフェクターで歪ませていません。奏法が出来てない人がひくと、全然ものたりない歪ませ方です。それでもちゃんといい音で聞こえるのは、ピッキングにおけるエネルギーがしっかり伝わっているからです。
実際は、強さというより早さの方が大事(理科の授業でやったよね、早さが2倍になるとエネルギーは4倍になるってやつ)
そして、早さを稼ぐためには、関節の力を抜いて支点をつくってあげる事が、絶対必要になります。
それを実感するためにもエフェクターの歪み(出来れば
真空管アンプの歪みのほうがわかりやすい)をいつもよりグットおさえて弾いてみてください。その状態でいつもと同じくらい歪みが感じるくらいに、弾き方を工夫してみてください。
ギターの話をしましたが、他の楽器でもほぼ共通しています。
ベースも、ピック弾き、指弾きともに、弾き方で全然ちがう音がでます。そのバリエーションで無数の表現力ができます。
ドラムこそ、たたき方で全然音が変わってきます。
歌の場合は発声の仕方です。日本人の7割くらいは、歌うときにのどの奥をしめてしまいます。のどがしまっていると、高域にピークのある細い声しかでません。うまい人の歌声は下から上までバランスのよい音になります。
ということで、自分ので音に悩んでいるひとは、まずは、奏法を見直すことをしてみてください。弾き方、たたき方によってどんな音の違いがでるか、試行錯誤してみてください。
ちゃんと出来るようになると、今迄と違った気持ちよさが感じられるはずですよ。
個々の楽器や歌のもう少し詳しい上達法は、追って取り上げて行こうとおもいます。